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J-VET 2008年8月号 副腎皮質機能亢進症 診断のエビデンス COMPENDIUM:犬のうっ血性左心不全:病態生理,診断 他
最新獣医学エビデンス情報誌 月刊「J-VET」
小動物診療のエビデンスわが国獣医療界にもEBM(Evidence Based Medicine)を。
■臨床現場でよくみる疾患や症状について,現時点のエビデンスを掲載しています。
■日本の執筆陣が,日本の獣医療の実情をふまえて執筆しているため,飼い主へのインフォームドコンセントにもすぐに役立ちます。COMPENDIUM世界レベルの記事を日本語訳で。
■世界各国で最も信頼されている獣医学雑誌から,わが国獣医療界の臨床事情に鑑み,重要と考えられる記事をピックアップし,掲載しています。
■オリジナル発行後約6カ月で日本語訳を掲載。日常診療でよくみる疾患、まれにしかみない疾患の知識をアップデートできます。
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■小動物診療のエビデンス
■○内分泌疾患のエビデンス3副腎皮質機能亢進症 診断のエビデンス松木直章
臨床症状から副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)が強く疑われる場合にかぎり内分泌検査に進む。クッシング症候群を確定するにはACTH刺激試験を行う。下垂体性クッシング症候群と副腎腫瘍の鑑別のためには副腎エコー検査を行い,必要があれば高用量デキサメタゾン抑制試験を組み合わせる。確定診断後には治療選択のため脳MRIや胸腹部CTを行う。
○内分泌疾患のエビデンス4副腎皮質機能亢進症 内科療法のエビデンス
左向敏紀・森昭博
犬の下垂体性副腎皮質機能亢進症の内科療法では,トリロスタンあるいはミトタンが主に用いられる。トリロスタンもミトタンも副作用の報告があり,医原性の副腎皮質機能低下症に進行する可能性があり,また,血中アルドステロン濃度の低下により血中カリウム濃度が上昇する症例が存在する。両薬剤ともに少量からの薬剤投与の開始が推奨される。良好に管理が行えた症例は予後がよい。
■COMPENDIUM
■○犬のうっ血性左心不全:病態生理,診断監訳:
藤井洋子
うっ血性心不全は,犬にみられる病態として比較的多い。研究者によってこの症候の病態生理が解明され,理解がより深まるにしたがって,診断および治療戦略は発展しつづけている。しかし,残念なことに心不全の罹患率と死亡率は依然高いままである。本稿は,うっ血性心不全の病態生理と初期のうっ血性心不全の臨床症状が認められる,もしくは治療しているにもかかわらず代償不全に陥っている症例の診断に焦点を絞った。
○犬のうっ血性左心不全:救急における治療とモニタリング
監訳:藤井洋子
うっ血性心不全の患者の治療とモニタリングは進歩している。初期の段階で心疾患に有効な治療を開始することにより,進行を防ぐ,もしくは遅らせることができれば,長期的に良好な予後が得られる可能性がある。本稿は,治療を行っているにもかかわらず,もしくは,過去にうっ血性心不全と診断されたことはないが心臓の代償不全による臨床症状が現れている動物の治療とモニタリングに焦点を絞った。
■UK VET
■○副腎皮質機能亢進症
1. 病態生理翻訳:
大野華子
副腎皮質機能亢進症は慢性的なグルココルチコイドの過剰に伴う臨床的な症候群とされており,小動物臨床では最もよくみられる内分泌器機能障害の1つである。本稿では,原因と疾患の影響についての概要を解説する。
○副腎皮質機能亢進症
2. 犬における診断翻訳:
大野華子
副腎皮質機能亢進症の診断が正確に行えるか否かは,臨床症状の確認,原因を突き止めるための検査またはその後の治療を阻害しうる併発症の確認,適切な検査を行えるか否かにかかっている。ただし,診断に着手する前に獣医師と飼い主が考慮しなければならないこともいくつかある。
○口腔内腫瘍 後編 治療法の選択と予後翻訳:
木下明紀子
前回に引き続き,犬と猫の口腔内腫瘍において現在選択することのできる治療法を述べ,また,それぞれの腫瘍の予後について概要を説明する。単独で有効であるという治療法は存在しない。適切な治療法を選択し,併用するためには腫瘍それぞれの生物学的動態を理解することが不可欠である。
■連載,他
■○小動物歯科シリーズ
基礎からの小動物歯科学
第20回歯科保存学(4)―覆罩術と生活歯髄切断術
藤田桂一
犬歯などが破折した場合に,歯髄を露出したままにしておくと感染などの問題が生じやすくなるため,できるかぎり歯髄を健康な状態で保つべきである。今回は,直接歯髄覆罩術を用いた生活歯髄切断術について解説する。
○犬と猫の臨床腫瘍学
第7回 腫瘍の治療 概説
丸尾幸嗣
腫瘍の治療方針を具体化するときには,さまざまな要因を総合的に考慮して決定することになる。できれば,診断と治療のステップの間に一呼吸おくのがよい。その間に治療に関する最新情報と標準的な方法を確認し,飼い主と相談し,治療目標を設定する。動物の癌臨床も集学的治療の時代に入ったといえる。チーム獣医療,他院とのネットワークを通して効率のよい治療を目指す。
○脊髄再生医療
神志那弘明
有効な治療法がない疾患では,再生医療に寄せる期待は大きいものがある。なかでも中枢神経系疾患における再生医療の期待は大きく,有望な研究が世界中で進められている。人医療ではすでに臨床試験が開始されているが,獣医療でも再生医療の認識が高まり,治療に取り入れようとする試みが始まっている。本稿では脊髄損傷に対する再生医療の概念を解説し,基礎研究および臨床研究を簡単に紹介する。
○小型犬,中型犬における僧帽弁閉鎖不全症によるうっ血性心不全の治療―過去・現在・未来―
Sonya G. Gordon
J-VETインフォメーション※誌面の都合上,田中綾先生の連載「実践 心エコー検査(第2部)エコー所見に応じた確定診断法とその治療」は休載いたします。ご了承ください。
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- 商品ID
- 00010808
- 判型
- A4
- 発刊日
- 2008年8月10日