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J-VET 2008年9月号 副腎皮質機能亢進症 外科療法のエビデンス COMPENDIUM:犬の下垂体巨大腫瘍 他
最新獣医学エビデンス情報誌 月刊「J-VET」
小動物診療のエビデンスわが国獣医療界にもEBM(Evidence Based Medicine)を。
■臨床現場でよくみる疾患や症状について,現時点のエビデンスを掲載しています。
■日本の執筆陣が,日本の獣医療の実情をふまえて執筆しているため,飼い主へのインフォームドコンセントにもすぐに役立ちます。COMPENDIUM世界レベルの記事を日本語訳で。
■世界各国で最も信頼されている獣医学雑誌から,わが国獣医療界の臨床事情に鑑み,重要と考えられる記事をピックアップし,掲載しています。
■オリジナル発行後約6カ月で日本語訳を掲載。日常診療でよくみる疾患、まれにしかみない疾患の知識をアップデートできます。
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■内分泌疾患のエビデンス5
■副腎皮質機能亢進症 外科療法のエビデンス
垰田高広・原康
犬の副腎皮質機能亢進症の多くは,ACTH産生性下垂体腺腫が原因である。経蝶形骨下垂体切除術は犬の下垂体性副腎皮質機能亢進症に対する唯一の根治的治療法であり,適切に実施されれば有用な治療法であることが認識されている。1997年にこの術式が報告されて以来,180例を超える手術症例の術後成績が報告されており,術後の症例の生存率,合併症,再発率,予後判定因子が考察されている。下垂体切除術はできるだけ早期に行うことが望まれるため,MRIやCTを使用した正確な下垂体腺腫の診断,病期にあわせた治療法の選択が必要となる。
■COMPENDIUM
■○犬の下垂体巨大腫瘍
監訳:齋藤弥代子
下垂体の巨大腺腫および巨大腺癌が獣医療において徐々に認識されはじめている。巨大腺腫の正確な発生率は頭部画像診断が日常的に行われていないため不明であるが,15~75%であると推測されている。近年の内分泌検査および下垂体の画像診断技術の発展に伴い,下垂体巨大腺腫は容易に発見できるようになったが,腫瘍の早期発見,早期治療,動物のQOLの向上のための画像診断のルーチン化という課題が残されている。
○犬と猫のフィラリア症:犬糸状虫の発育環,病態生理,診断
監訳:鬼頭克也
血管内寄生虫である犬糸状虫の寄生は,飼育されている犬や猫の問題として徐々に理解が深まっている。犬糸状虫の寄生は予防が可能であるが,ひとたび動物に寄生すると,犬糸状虫症および生命を脅かすような合併症を引き起こすおそれがある。犬糸状虫の感染予防と治療に関する正しい情報を飼い主に提供するためには,犬糸状虫の発育環,感染期,検査法の限界,犬糸状虫症の臨床症状について理解することが欠かせない。
○犬と猫のフィラリア症:予防,治療,副作用
監訳:鬼頭克也
犬糸状虫症を予防するための薬物にはさまざまなものがある。メラルソミンは成虫駆虫薬として投与した場合,最大96%の犬に有効である。しかし,犬の犬糸状虫寄生例では治療に多額の費用がかかり,中程度~重度の症例に成虫駆虫薬を投与すると危険な副作用が現れることがある。ミクロフィラリアが認められる犬にはミクロフィラリア駆虫薬を投与する。予後は,軽度~中程度の症例は良好,重度の症例は良~要注意,合併症を起こしている症例は治療を行ったとしても不良~悪である。
○犬と猫の慢性膵炎
監訳:大野耕一
膵炎は犬と猫に多くみられる膵外分泌系疾患である。症状が軽度であったりみられなかったりすることが多く,また合併症や併発症と症状が類似することも多いため,慢性膵炎の診断は難しい。詳細な病歴を得ることと,綿密な身体検査,膵炎に対する感度および特異度が高い検査を行うことが慢性膵炎の診断において非常に重要である。慢性膵炎の急性転化時の初期治療は支持療法や食事療法が主体であるが,長期的な治療は食事の変更が基本となる。合併症や併発症の治療も不可欠である。
■UK VET
■○副腎皮質機能亢進症3. 犬における治療
翻訳:大野華子
今回は獣医師が選択できる副腎皮質機能亢進症の治療法に重点をおく。副腎皮質機能亢進症の治療は,老齢犬を診療するうえで確かな経験となるであろう。飼い主は,治療を開始してはじめてこの疾患の深刻さがわかったと振り返ることがよくある。治療の成否は,適切な治療法が選択できるかということだけでなく,飼い主とのコミュニケーションを図り,定期的な治療経過のモニタリングが行えるかどうかによって決まる。
■連載,他
■○小動物歯科シリーズ基礎からの小動物歯科学
第21回(最終回)歯科保存学(5)―抜髄根管治療
藤田桂一
歯髄が感染や損傷を生じたために歯髄の回復や保存が不可能と判断された場合は,歯髄を除去(抜髄)して根管治療を行い,根管内に充填剤を詰める。これが抜髄根管治療である。歯髄をそのままにしておくと細菌や刺激物質が原因となって根尖性歯周組織疾患が起こることがある。これを予防または治療するための処置である。
○困ったときの免疫抑制剤 ―プレドニゾロン+α
第3回シクロスポリン, タクロリムス(2)
湯木正史
前回はカルシニューリン阻害薬であるシクロスポリンとタクロリムスについて解説した。今回は続編として,それぞれの薬剤を使用した症例を報告し,著者の意見を述べる。
○第13回岐阜大学教育セミナー
教育講演COX-2阻害薬と腫瘍性疾患
森崇
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)はステロイド作用をもたない抗炎症薬の総称であるが,次々に新しい物質が開発され,現在では選択的COX-2阻害薬が販売されるまでに至っている。この薬剤には,本来の抗炎症作用のほかにもさまざまな作用があることが報告されている。今回は抗腫瘍作用について概説する。
○アイムス 誌上学術セミナー 6 〈肥満と体重管理〉犬の肥満 : 減量を成功させる方法
肥満は犬に多くみられる栄養障害であり,一生治療が必要な障害と認識するべきである。犬の約15%が肥満,約40%が過体重であると推定されている。一般に,体重増加の原因は,摂取エネルギーと消費エネルギーの単純な不一致である。
J-VETインフォメーション※誌面の都合上,田中綾先生の連載「実践 心エコー検査(第2部)エコー所見に応じた確定診断法とその治療」は休載いたします。ご了承ください。
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- 商品ID
- 00010809
- 判型
- A4
- 発刊日
- 2008年9月10日